公開シンポジウム

グローバル教育改革モデルと教育の効果検証システム

—英国Ofstedの経験と日本の教育政策の路線—

公共の再定義が進められる中で、学校教育を中心とした公的教育の運営方法が変わってきている。中央政府、地方教育行政、学校のそれぞれのレベルで新しい公共管理手法の導入が進んでいる。コストを意識した私的セクターの関与、データによる現状把握の手法、政策の土台となるエビデンス収集など、変化は多様な領域に及ぶ。

しかし、詳細なデータや情報に依拠して政策を立てる「文化」と手法を、日本の教育行政は中心的な手法としてきてはいない。そうしたものが十分に育たなかったのかもしれない。1960年代の全国一斉学力調査中止以来、全国的な調査がタブーとなったことの想定外の後遺症という側面もあろう。

公的教育のデータ収集方法とその活用形態を大きく転換させた事例が海外にはある。例えば英国では、勅任視学(HMI)を改変して登場した教育水準局(Ofsted)が、四半世紀をかけて単なる監査機関から膨大な情報を収集・管理・分析する、教育行政の「インテリジェンス機関」とでも言うべき機構へと脱皮しつつある。Ofstedの数度にわたる改革は、振り返ってみると全国データのコンスタントな収集システムの構築であったと見ることができる。膨大で多角的なデータ収集を背景にしてOfstedが向かっている方向は、訪問監査を大幅に合理化し、限られた人的金銭的リソースを困難度の高い地域と学校に集中的に投入する緩急をつけた支援方式である。この形は、緊縮財政と並行するグローバル教育改革の一形態であろう。視学制度を根付かせていた英国に選択可能だった形でもある。

緊縮財政の下における公共の再定義は、日本も同様に直面する課題だ。日本型の改革はどのような特長をもって進んでいるのか。あるいはどのような展開を展望しうるのか。Ofstedを軸にした英国の制度設計と対比しながら、日本の制度の特徴を浮き彫りにしつつ日本の改革の現状と路線について考えてみたい。

◆コーディネーター 兼 司会
・広瀬裕子 (専修大学)

◆スピーカー
・Michael Wilshaw (前・英国教育水準局Ofsted長官)
ー「教育の質の向上とOfstedの役割」

・前川喜平 (前・文部科学事務次官)
ー「日本にはなぜOfstedがないのか」

・木岡一明 (名城大学)
ー「エビデンス・ベースの『学校評価』への転換の模索 ―英国の経験に学ぶ―」

◆概要
・会場:専修大学神田キャンパス1号館3階301(予定)
・資料代500円
・先着順とします。なお、事前予約は受け付けておりません。当日、受付にてお申込みください。
・問い合わせ(大会実行委員会) > jasep2018senshu@gmail.com

公開シンポジウムフライヤー
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